研究一覧
1.脳血管研究
(1)研究目的・内容・利用方法
滋賀医科大学ではご献体を対象として頭頚部や脳の血管の調査研究を行っています。この研究の目的は、クモ膜下出血の原因となる脳動脈瘤がどのくらいの頻度で人体に存在しているのかを調べたり、検査や手術を安全に行うために血管の分岐様式の個人差を調査したりするものです。
このような調査研究は脳ドックなどで撮影されたMRIなどの画像を解析することによっても行うことが出来ますが、人間の目でご遺体を直接観察することによって、より詳しくきめ細かな知見を得ることができます。
具体的には、頭頚部や脳の血管を観察し、血管の長さや分かれ方、動脈瘤の有無、脳の重量などを調べて記録します。重要な部分は写真を撮影したり、必要に応じて組織の一部を顕微鏡で調べたりすることもあります。
本研究により、クモ膜下出血などの脳卒中を適切に予防し、より安全な診断や治療を行うための土台となる知見を得ることができます。研究成果は学会で発表したり、論文として医学雑誌に発表します。また、医学部学生・大学院生医師を含む医療関係者の教育に役立てます。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
(2)利用する試料・情報
献体より採取する脳とその撮影写真
(3)資料・情報を使用する者の範囲
宇田川潤・松田和郎・木村智子(滋賀医科大学解剖学講座生体機能形態学)
(4)試料・情報の管理者
宇田川潤(滋賀医科大学解剖学講座生体機能形態学)
2.腎血管分布様式の研究
(1)研究目的・内容・利用方法
滋賀医科大学ではご献体を対象として腎臓の血管の調査研究を行っています。腎腫瘍の手術は腎部分切除が主流となっています。この手術の際に腎臓の血管の理解が非常に重要となります。この研究は、腎臓の動脈の走行とその支配領域を明らかにすることを目的としています。実臨床においても術前のCTのデータから血管の走行を3D構築し術前のシミュレーションに利用しています。しかし実際にご遺体の腎血管の走行、分枝様式を直接観察することにより、より具体的で詳細な知見を得ることができます。
具体的には、血管を含んだ腎臓を摘出し尿路と血管に色素を含んだ液体を注入、腎血管の鋳型標本を作製します。割面の観察を行い、写真を撮影したり、組織の一部を顕微鏡で調べたりします。
本研究により、腎腫瘍に対する腎部分切除術をより安全に行うための土台となる知見を得ることができます。研究成果は学会で発表したり、論文として医学雑誌に発表します。また、医学部学生・大学院生医師を含む医療関係者の教育に役立てます。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
(2)利用する試料・情報
献体より採取する腎臓とその撮影写真
(3)資料・情報を使用する者の範囲
吉田哲也(滋賀医科大学泌尿器科学講座)
富田圭司(滋賀医科大学泌尿器科学講座)
宇田川潤(滋賀医科大学解剖学講座生体機能形態学)
(4)試料・情報の管理者
吉田哲也(滋賀医科大学泌尿器科学講座)
宇田川潤(滋賀医科大学解剖学講座生体機能形態学)
3.男性の精索に関する形態学的研究
(1)研究目的・内容・利用方法
滋賀医科大学ではご献体を対象として精索と呼ばれる精巣に繋がる血管やリンパ管、精管の形態的研究を行います。この研究の目的は、主に精索静脈瘤という男性不妊症の原因となる疾患において認められる血管の異常に関して調べるものです。この疾患に対する手術を安全かつ効果的に行うために血管やリンパ管の分岐様式の個人差を調査したりするものです。
このような調査研究は、肉眼的に、また病理組織額的に顕微鏡でご遺体を観察することによって、より詳しくきめ細かな知見を得ることができます。
具体的には、精索の血管、リンパ管、精管を観察し、血管の太さ分岐、静脈瘤の有無などを調べて記録します。重要な部分は写真を撮影したり、必要に応じて組織の一部を顕微鏡で調べたりすることもあります。
本研究により、精索静脈瘤の手術を、より安全・効果的に行うための土台となる知見を得ることができます。研究成果は学会で発表したり、論文として医学雑誌に発表します。また、医学部学生・大学院生医師を含む医療関係者の教育に役立てます。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
(2)利用する試料・情報
献体より採取する精索とその撮影写真
(3)資料・情報を使用する者の範囲
吉田哲也(滋賀医科大学泌尿器科学講座)
富田圭司(滋賀医科大学泌尿器科学講座)
宇田川潤(滋賀医科大学解剖学講座生体機能形態学)
(4)試料・情報の管理者
吉田哲也(滋賀医科大学泌尿器科学講座)
宇田川潤(滋賀医科大学解剖学講座生体機能形態学)